<監督・キャスト>
監督:犬童一心
『メゾン・ド・ヒミコ』 や『眉山-びざん-』の監督。
その後に『タッチ』 や『黄色い涙』で若干大衆よりを狙ったものの外したんじゃないかと感じたあたりから段々と見なくなってしまいましたが、個人的にはとても好きな監督。
キャスト:
主人公=妻夫木聡
もう説明不要の知名度がある俳優さんだと思います。
個人的に好きな作品は
『闇の子供たち』、『悪人』、『渇き。』『ミュージアム』など。
ヒロイン=池脇千鶴
好きなのは『金髪の草原』←犬童一心監督の名作!
『そこのみて光り輝く』など、人間臭いドラマが似合うんだよなぁ。
<あらすじ>
足が不自由で、車椅子がないと歩けない。そのため、ほとんど外出したことがなく人形のようになっているジョゼ(池脇千鶴)と、大学を出たばかりの共棲みの管理人・恒夫(妻夫木聡)。二人はひょんなことから出会い、お互い惹かれ合っていく。
なお、ジョゼの名前の由来は彼女の愛読書フランソワーズ・サガンの登場人物の名前から。
<感想>
おそらく人生で50回以上は観た、とても好きな作品。
あの世に10本持って行けるなら、これは間違いなく持っていくレベル。
映画とは思えない、現実的なストーリー。
これほどリアルで、心を締め付けられる映画はない。一方でその絵はとても柔らかく優しい。
犬童一心監督に切り取られた眩しくて優しい夕陽、川や朝焼け、素朴な食べ物…
妻夫木聡と池脇千鶴の目線や表情も素敵です。
なお、DVDだと副音声のコメンタリーがめちゃくちゃ楽しめます。
「みそ汁すすってるけど最初の一口でもう具はなくなったんだよね」とか、
裏話が満載!
<こんなあなたに見てほしい>
静かで流れていくような作品なので、ゆったり見たい人におすすめ。
岩井俊二作品が好きな人はきっと嫌いじゃない。
障碍を持った女性と付き合う機会は少ないけれど、
きっと普通に付き合うにはしんどい。
ましてや大学生の多感な時期。
妻夫木聡が、最後歩きながら放たれるナレーションの一言にグサリと刺された気分になります。
男って、逃げるよね。
情けないけど、心の一部で共感が止まらない。
リアルだわぁ、本当にありそう。
ジョゼの仕草や目線、言葉の使い方など繊細な表現が映画を観進めていくごとにグッとくる。
お魚のラブホのシーンも好きだなぁ。
邦画らしい良さが犬童一心マジックによってさらに良くなっている作品です。
そして・・・くるりが最高!
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