<監督・キャスト>
監督:ヨルゴス・ランティモス
キャスト:
オリビア・コールマン(アン女王)
エマ・ストーン(アビゲイル・ヒル)
レイチェル・ワイズ(レディ・サラ)※サラ・チャーチル
ニコラス・ホルト(ロバート・ハーリー)
ジョー・アルウィンサ(ミュエル・マシャム)
<あらすじ>
時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。
上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。
サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。
イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。
アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。
アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。
アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。
(公式サイトから引用)
<これから観る方への感想・ネタバレなし>
大奥はお好きですか?
昼ドラのドロドロしたやつ(牡丹と薔薇みたいな)
好きな方はすぐに映画館へ!
英国女性貴族版大奥です。
あらすじにもあるように、
戦争中にも関わらず、側室(お気に入り)を誰にするかという点に焦点が当たっていて、
これが非常に人間らしいというか、愛と憎悪劇になっており、最後まで飽きません。
戦争ものダメ、歴史ものダメ、って方でも本作ならOK!
PG12になっていますが、言葉はともかく映像的にはそこまでエロくないです。
劇中にF●CKといろいろ字幕見ててもふっと気になる言葉が混じっているので、
小さなお子さんとは観ない方が良いかと。(大奥みたいな内容ですし)
見どころはなんといっても、
3人の女優トリオが織りなす憎悪劇。
オリビア・コールマンの病弱で、哀愁漂う演技など、
観ればそれぞれ印象に残ることは間違いないのですが、もう3人の演技が凄まじいです。
女優同士のぶつかり愛。失礼。ぶつかり合い。
アカデミー賞主演女優賞はオリビア・コールマンですが、
レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンにもあげたいくらい。
日本の大奥と違うのはエンタメ要素よりも、
割と史実に忠実に再現がされている意味で本当によくできてます。
衣装や美術、背景全てが美しく、息を呑むような仕上がり。
華やかな王室もあれば、身分の低い人々の小汚いシーンもあってリアル。
貴族の煌びやかなドレスが美しくて、最後には眼帯までオシャレに(笑)
歴史とゴシップ好きのあなた!おすすめです。
<ネタバレ感想>
※この後下にはネタバレ感想注意※
エマ・ストーンさんの美しさが印象的。
服を着てても、着ていなくても(!!)きれいです。
女の嫉妬が見えるシーンがいくつかありますが、
「あの子は舌も使ってくれるの」に背筋ブルブル・・・
そんな直球あります?
私のような精神年齢10歳には刺激強めの字幕でした。
ラストシーンの
女王×アビゲイル×うさぎのシーンは人によって考察がわかれそうですが、
私の見解は、うさぎ=なくなった子供たちであり、
「愛されたい願望MAX」の王女の背景から考えると、
アビゲイルもうさぎの一つであり、下僕であることからは抜け出せないという意味だと思います。
もう一歩踏み込むと、仮に王女に子供が出来ていたとしても、
同様に従わせ、うさぎであっても寵愛を受けても同じ結末になっていた。
というようなメッセージに感じました。(考えすぎか?笑)
しかし、エマ・ストーンは本当に美貌だった。
メイド姿もドレスも似合う。目が透き通っていてかすかに青くキレイ。
最初けな気だったのに、どんどん本性が出てきて、悪女と認識してもキレイ(笑)
落ち葉の広がるシーンのいちゃいちゃの激しいこと。
金的してましたよね?(笑)
そして新婚初夜の雑な行為。(あれ男がホント、アホなんじゃないかと思った)
女王とサラの王国をかき乱す、素晴らしい演技でした。
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