どうもこんにちは!ミギーです。
はい、というわけで今回は
映画料金についてのブログです。
早速なんですが、
映画って1人1回1,900円もするんですよ!
正直、1回1,900円って高くないですか?
この前、土日で『バイス』→『記者たち』を観たのですが、
2名で観たので、1,900円×4=7,600円もしました。(ヒエー・・・)
どちらも満足の作品でしたが、
いまやTSUTAYAで100円レンタルが当たり前。
Amazonプライムビデオなら月額500円以下で観放題というこの世の中で、
たった1回、約2時間で1,900万円!
信じられないと思い、いろいろ調べてみました。
世界一映画代が高い日本
各国の映画代と比較してみても差がすごい。
日本:1,900円
ノルウェーなど北欧:1,700円
イギリスなどヨーロッパ:約900円~1,000円
アメリカ:約800円
おとなり韓国:約700円
シンガポールやタイなどのアジア:約500円~約600円
中国:約400円
インド:約50円~100円
すんごい差です
なんだ~ノルウェーと変わらないじゃん。
ってとんでもない!
日本とノルウェーは物価がそもそも違います。
マクドナルドのバリューセット、日本で650円のものが、
ノルウェーでは1,300円くらいします。
2倍ですよ?!
物価は平均で25%以上も違うんですね。
つまり、ノルウェーからすると安いまである価格です。
なんでこんなに高いのか?
一言で言うと、利権が絡み合っていて、
値段が変えられない(値下げできない)という事情があります。
どうゆうことか?
ここで映画業界の仕組みを超わかりやすく解説します。
映画業界は、
- 「製作」=映画を作るところ
- 「配給」=映画を買い付けて販売するところ
- 「興行」=映画を上映するところ
の3つで構成されています。
そして、「興行」は自分で映画上映の価格を決めることが出来ます。
つまり、100円でも3,000円でもいいんですね。
じゃあなんで、1,900円なのか?
ここの3つの中で一番力が強いのは「配給」。
日本の大手配給会社とは、東映・東宝・松竹の3社。
そして、配給会社を中心に上記3つの組織が実質一体化していることにあります。
調べてみると、
配給会社が値段を(1,900円から)下げるな!
と権力にものを言わせている
ようです。
なぜ?と思いもっと調べてみました。
映画館は日本に約3,000スクリーンほどあるのですが、
先ほどの東宝・東映・松竹の映画館(TOHOシネマズ、Tジョイ、新宿ピカデリーなど)が、30%以上を占めています。立地もいい。
そこの上映は同じく3社の仕入れた作品、つまり製作に投資している有名作品が優先されるので、なかなか無名の作品が上映されることは少なく、
また映画代も配給会社の言いなりになる(言うこと聞かないと上映しない、あるいはコントロールできる作品の扱いが多い)ことになります。
では、1,000円では成り立たないのか?
→理屈上はできなくないが収益が大きく減る
ということになり、
値段を下げると、興行に入るお金も配給に入るお金も減るため、
値段が下げられないという事情が絡んでいるようです。
かつ値下げした価格を上げることって映画に限らず非常に難しいので、
腰がめちゃくちゃ重くなりますよね。
いわゆる「業界の利益確保」のための事情と言って過言はないはず。
それだけ聞くとやめてくれよって感じですが、
どうやら複雑な事情もあるようです。
アメリカでは製作・配給・興行が独立して機能していることから、
それぞれ競争にさらされ、映画の価格も競争の中で今の値段になっています。
簡潔にいうと、
お客さんが観たいと思う価格に違い料金になっています。
(顧客をもっとも獲得できるであろう料金体系にしなければ選ばれないため)
日本もそうならないのはなぜなのでしょうか。。
儲からない映画ビジネス
映画って製作費のだいたい3倍の興行収入を叩き出すと黒字と言われています。
つまり5,000万円かけて制作した作品は1億5,000万円以上、
10億円かけて制作した作品で30億を超えないといけないのですが、
大ヒット邦画は年に数本しかありません。
通常のヒットは15億円程度で、数千万円~5億円以下が普通の映画の製作費になります。
2018年、日本国内における主な興行収入トップ5をみてみると、
2位:「名探偵コナン ゼロの執行人」 91.8億円(シリーズ最高額)
3位:「映画ドラえもん のび太の宝島」 53.7億円(シリーズ最高額)
4位:「万引き家族」 45.3億円
5位:「銀魂2 掟は破るためにこそある」 36.5億円
なお、社会現象を巻き起こした「カメラを止めるな!」は31億円で7位になっています。
制作費300万円と言われるカメ止め!が31億円稼いだのですから、夢があるといえば、ありますよね。
しかし、上位の作品を観て下さい。
ほぼ皆さん知ってます。話も役者も。
見込みが立てられる作品に投資される傾向が強く、
いわゆる『本屋大賞受賞作品の実写化』、『有名マンガの実写化』が多発というか、
もはや常套手段になっているのはこうゆう背景があるんですね。
例えば進撃の巨人、ゴジラ、ジョジョの奇妙な冒険あたりは10億円以上の製作費が投入されていると言われています。
一方現実は甘くなく、2018年は合計613本の邦画が制作されていますが、
黒字化できている作品はほんの一握りです。
わずかな制作費とわずかな上映スクリーン、二次利用でいかに生計を立てるかを考える必要があるため、出資が集まらず苦しい展開を強いられることになります。
当たりとハズレの差が激しく大きいのです。
だから、映画製作にお金を出すけれども、当たるか外れるかわからないから値段を下げたくない。ってわけです。
そもそも高水準で来てくれるお客さんもいるし、半額にしたところで
じゃあお客さんが2倍になるかというとそうでもないと。
厳しい映画製作事情がいまの価格に影響を及ぼしているといえるのかもしれません。
映画製作費を出す出資者って誰?
原作の出版社や芸能プロダクション、テレビ局や商社、広告代理店などが出資します。
配給会社をメインに“制作委員会方式”が取られることが多く、
その作品をつくるために、みんなでお金を投資しませんか?って話です
(エンドロールで出資会社が出てくることが多いです。)
もちろん投資ですから、投資した分のリターンが必要です。
でも、映画ビジネスって当たりとハズレが多く、“大コケ”すると莫大な損失がでます。
もはやトントンもいかない悲惨な映画が世の中にはたくさん存在していることも事実です。
中には、ファンド方式でヒットした作品もあります。
『フラガール』という作品は、
ファンド方式で私のような個人投資家から出資を集めて、
ヒットした暁にはその利益を分売しようというもの。
シネカノン社(倒産)が製作・配給する20作品に対し、45億円を出資するファンドの中の1作品でした。
JDC投資信託という上場会社でしたが、
社長が勝手に会社の金を使い込むなどいろいろあって上場廃止になっています。
(こんなんじゃ「映画ファンドで投資したい」って人なんていなくなるよね・・・)
フランス:800億円
韓国:400億円
日本:60億円
日本少なっ!!
これって結局、映画の質もそうだし、役者さんのギャラも低いっていうことになるんですよね、きっと。
元売れない役者出身の私としては、役者さんにもキャリア形成ができるような文化をつくってもらいたいものです。
一方良い情報としては、
(外務省調べ2015年)
1位 アメリカ 13,300億円
2位 中国 8,860億円
3位 日本 2,171億円
解決策っておそらくとてもシンプルで、
「製作」=面白い映画を徹底して作る
「配給」=面白い映画を公平にを買い付けて販売する
「興行」=面白い映画を上映する
の3つがそれぞれ役割を機能させ、
「公平な競争に晒されること」かと思います。
そのためにはきっと、既成概念をぶっ壊す必要がありますね。
どうやったらぶち壊せるのでしょうか?
いま私が調べているところでは、具体的な解決策は思い浮かびませんでした。
勉強不足なこともありますので、
今後実際の映画監督などにお話を聞きにいきたいと思います!
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