【記者たち・ネタバレありレビュー】イラク戦争の真実、バイスから観るか?記者たちから観るか?

ドキュメンタリー

どうもこんにちは!ミギーです。

今回は『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』を観てきました。

王様のブランチでリリコさんが、『バイス』と合わせて見るとイイと紹介されていたので、

『バイス』をみた翌日に観てきました(ミーハー笑)

 

ドキュメンタリータッチなのに、

退屈感が一切なく、

ラストまで駆け抜けるように観ることが出来ました。

 

今日は『記者たち』の感想を。

 

<基本概要>

イラク戦争で障害を負った退役軍人が語りだし、物語は始まります。

「なぜ、戦争を(しなければならなかったのか)?---」

 

本作はファクト(事実)に基づいて記事づくりを行い続け、

イラク戦争はチェイニー副大統領の仕掛けた政治的工作であることを伝えようとした

“4人の記者たち”に焦点を当てた真実の物語。

 

<ネタバレあり感想>

一言で感想を言うと

『報道を受ける私たちは、真実を見極めなければならない』

それが今後できなければならないと感じさせられました。

 

9・11の主犯はイラクである。

それは間違っているのと報道し続けたにも関わらず、

TVや新聞、各メディア媒体の多くは大きく扱うことをしなかった。

理由は2つ、

①政府の情報操作と圧力があった

②戦争のトピックにした方が新聞の売行きやTVの視聴率が取れるから

 

①政府の圧力に関しては『バイス』がブラックユーモア全開でクリスチャン・ベイルほか、多くの役者さんが演じ、解説してくれています。

本作で考えさせられるのは②。

 

“真実”はしっかりと報道されていたにも関わらず、

なぜ戦争が起こってしまったのか?

 

報道の伝える側の意識と、受け取る側の意識、

ここの問題点がポイントになるかと思います。

 

伝える側は正義がない。

あくまで本作を見ての感想として、

伝える側の“正義”はどこにあるのかということ。

本作では完全に政府になびいたのはニューヨークタイムズで、

リッダー社の編集長・ウォルコットからは、

「後に謝罪会見をすることになるぞ!」とまで警告されたにも関わらず、

イラク侵攻の正当化を止めなかった。

その理由は明かされていないが、買収されたかあるいは紙面が売れるからか、

おそらくどちらもあって大衆に迎合した感は否めない。

ちゃんと調べれば、そうではないことはわかるものの、目をつむってみようとしなかった、

向き合おうとしなかった。

その損傷は計り知れない。

 

受け取る側(私たち)の意識も低い

 

『バイス』も本作もチェイニー副大統領の暗躍を明確に描き出していますが、

それを作りだしたのは多くの政府の都合の良い情報を求めた“アメリカ国民”であり、

しいては日本を含む世界が作り上げたのではないか?

という痛烈な批判が含まれているように見えます。

 

アメリカの大統領といえば、世界でも影響力がある発言者の一人。

その大統領が明確に言い切っていることは、もはや真実であるというある種の常識を疑う必要があることを本作は伝えています。

なかなか難しいことだと思いますが、一部の政治家が世界を動かしている、

その一部の政治家を自分たちが決めていることの重要性をもっと認識するべきと感じました。

 

 

いまの日本に置き換えてみると、

新聞であれば三大新聞(読売・朝日・毎日)とあと日経でしょうか。

すべての紙面で報じられたことって、おおよそ信じてしまうような気がするのですよね。

じゃあ、私たち読む側はどのような姿勢であればいいのか?

「何を根拠にその報道が真実なのか」

見極める力や知識が必要になると思います。

 

その情報は誰が言っているのか?

その人はなぜそのように言うのか?

など、自分自身で判断しなければならない。

ネットを含め情報がザクザクあふれる世の中、取捨選択は非常に重要になると思います。

 

何を基準に真実を見極めるのか、これから考えていかなければならないと思いました。

 

本作を見ると、総理大臣の言うことでもまず疑っていかなければならないことになりますね・・・

 

ナイト・リッダー社の正義とプロ意識

 

大手メディアが“9・11の犯人組織をイラクが支援している”と垂れ流す中、

真実を追求し続けたナイト・ライダー社・・・いや失礼、

「ナイト・リッダー社」の記事は徹底してもみ消されていく恐ろしさ。

当時、アメリカも日本もイラクに犯人がいると思いこまれていたことは事実であり、

私にとって、決して対岸の花火ではない作品になっています。

彼らの仕事観や姿勢は、報道の職でなくても感じるところあります。

正義とプロ意識、4人は同じ方向を向き、

結束し決して折れることがなかった。

とても心動く映画です。

 

ラストシーンのメッセージ

 

冒頭の障害を負った退役軍人は、

アメリカ(母国)への愛国心から、イラクへ向かうことを決意し、

そして下半身不随の状態になりました。

彼の描写とともに出る字幕に感じるものがあります。

 

「他人の子を戦場に送る親ではなく、

わが子を戦場に送る親の味方」

 

報道姿勢に胸を打たれます。

 

監修に池上彰

 

まず目につきますよね。

池上彰だからなのか、とても字幕もわかりやすく理解しやすかった。

高校生でも理解できるような字幕ではないでしょうか。

とても理解が深まる解説でした!

 

政治に興味持つ

報道よりも政権に興味ある人が多い日本で、もっと

一人一人が真実を基に様々な政策や国を動かす選挙権を行使できる

というのが最も美しい形のように感じます。

 

そこから考えていまの日本は投票率の低さや政治への興味関心の低さは、

私の周囲を見てもため息がでます。

私は面倒がる妻を無理やり選挙に連れていきますから。(笑)

 

妻がいいます。

「だって、選挙の名前書いてる人どんな人かわからないし」

「自民党と民主党何が違うの?」

「比例代表ってなに?」

 

すべて説明します・・・でもあまりわかっていません。

私の説明が下手なのもありますが、

日本はそもそも選挙や政治についての教育が足りな過ぎとしか思えないです。

妻にはもっと池上彰さんの番組を見せなければ。

 

 

バイスからみるか、記者たちからみるか

 

打ち上げ花火じゃないですが、

私はバイス→記者たちでした。

どちらも観て思うのは、記者たちではチェイニー副大統領がほとんど出てこないので、

チェイニーってどんなやつだったんだ?!

と記者たちを見れば思います。

だから記者たち→バイスが個人的にはオススメです。

 

どちらも素晴らしい補完関係になっております。

コメント

  1. […] バイス×記者たちで理解が深まることは間違いない。 […]

  2. […] 作品としてはあと一歩な気もしていますが、よくまとまった作品と感じます。アメリカをはじめ海外では実話をもとにした製作映画は数多くあり、『バイス』と『記者たち』などはエンターテイメント要素も取り入れ映画として成立させています。 […]

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