<監督>
監督:ギレルモ・デル・トロ
『シェイプオブウォーター』でもアカデミー賞獲ったスゴイ独創感のある監督です。
<解説>
ギレルモ・デル・トロ監督のダーク・ファンタジー映画『パンズ・ラビリンス』。
アメリカ・メキシコ・スペインが共同で製作し、日本では2007年10月に公開されました。
1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。
『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。
イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的。
(映画.comより引用)
<これから観る方への感想・ネタバレなし>
「トラウマ映画」、「後味の悪い映画」、「バッドエンド」、など検索すると、
割とヒットしてくる作品、それが『パンズ・ラビリンス』です。
第79回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞し、外国語映画賞では次点となった作品。
(たしかに、とても美術がきれいで引き付けられます。)
1944年の内戦終結後、ゲリラ戦が繰り広げられているスペイン。
主人公のオフェリアは、妊娠中の母と再婚相手であるヴィダルが主導権を握る独裁政権軍の、要塞に住むことになりました。
ヴィダルは生まれてくる息子のことしか配慮せず、オフェリアや彼女の母に冷たいため、
とても生きにくさを感じる中で、物語は本題に入ります。
サクッといってしまうと、超怖い軍人とお母さんが再婚してしまい辛い目に合う少女オフェリアの物語。
オフェリアは、立ち入らないよう注意されていた森に古くからある迷宮に入ってしまいます。番人・パンがおり、オフェリアがこの王国の姫君だと告げるのです。
その証明に、肩に“しるし”があると。
地底の王国には、昔々美しい王女様がいたのですが、地上を夢見て王国を飛び出し、そのまま亡くなったのでした。
王女様の魂はまた戻ってくると信じられており、その魂を持つのがオフェリアだと言う設定。
オフェリアが本物の姫君の魂を持つかを確かめるため、
パンは彼女に三つの試練を与えます。
パンはその試練を、満月の夜までにクリアしろと言い残して消えます。
オフェリアは迷宮に迷い込み試練に臨みます。
こっからです。
少女の魔法の旅なのですが、一筋縄ではいきません。
気持ち悪い、描写が。
キャラもそれぞれ立っています。
ダーク・ファンタジーとあるように、
悪夢に向かって少女はひた走ることになるのですが、
果たして結末は・・・!!
バットエンドなんですよ。ええ。
あんなラストある?って感じです。
悲しい。とにかく悲しい。報われない。
くぁぁぁぁぁ、そうかぁ、そうゆうことかぁぁぁぁ、
でも・・・うーんっわかるような、そうゆう終わり?!で来ちゃいます?
自分にもし娘が出来たら大学卒業まで見せたくない!(笑)
そんなトラウマ映画です。
ぜひ、報われないラストに向かって、本編を楽しんで下さいね!
<ネタバレ感想>
※この後下にはネタバレ感想注意※
いや、ヤバいですよ。
最初の試練のカギを手に入れるところまでは良かったのに。
第二の試練ですよね。
なんでイケナイって言われるのに、ぶどう食べちゃうかな。でも食べちゃうよね。
お腹すくもん←
マジで目覚めたペイルマン激コワ。
あんなの追いかけられてたらもう耐えられないです。
目、そこ?!っていう。
おうちに何とか帰って、もういけないよってなった後に、
なんで身内からスパイでてきますか。
オフェリアの家政婦、メルセデスさん。
そしてタイミングよくパンがオフェリアの前に降臨。
第二の試練はダメだったけど、ラストチャンスで生まれたばかりの弟を迷宮に連れてこいと。
ヴィダル(義理パパ)のに見つかっちゃうよね。
追いかけられながらよく迷宮にたどり着きました。
そしたら、
弟の血をよこせと。
断っちゃいますよね。(でも、2・3滴の血で良かったのに・・・)
弟を傷つけたくない、ピュアな心が嫌がりました。
逃げ帰ろうとしたら・・・・ヴィダルと遭遇。
義理ママの娘をピストルで撃つ残虐な義理パパです。
オフェリアは撃たれました。
しかも、オフェリアを撃って弟を抱きかかえたヴィダル(義理パパ)は、敵にあっけなく殺されます。
超悲しい。なんなの?もう全部おーしまい!!
と思ったら、
オフェリアは亡くなるも、“魂”が地底の王国に導かれ、そこで王女の魂と認められ終了。
・・・え、そうゆうこと?
はじめから死ななければ王女になれなかったというバットエンド?
それとも死んだオフェリアのためのストーリーなの?
私は、すべてオフェリアの空想のストーリーで、
彼女の作り上げた自分自身の世界で、
自分自身を弔ったのだと、いや~な解釈をしてしまいました。
考察の一つとして、本当につらい時、
自らをそのつらい場所から逃避させる世界=パンズ・ラビリンス(牧神の迷宮)
が必要なのだと伝えている作品とよくレビューにあります。
でもね。現実で映画を観る側としては辛すぎる。
生きる世界を閉ざされてしまった少女が開いた迷宮。
映画の観客とともに、一緒に迷い込むことになります。
せめて夢(パンズ・ラビリンス)の中だけでも、幸せになってほしいと思うのが、
割と普通の意見なのではないでしょうか。
でも現実は(映画の設定は)命を落とし魂となることで、
王女になるって、、、
現実を生きる少女が観たら、絶望してしまいますよ。
悲しいけど、本作で涙は出ません。
オフェリア役のイバナ・バケロのぱっちり二重のきれいな瞳が死に、
悲劇を辿らなければならない結末に
ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
となります。
あと、描写が本当にグロい。
やっぱり娘が出来たら大学出るまでみせられませんね。。
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