【永い言い訳】西川美和作品のアビリティ“人間臭さ”が惜しみなく発動!愛おしい主人公に涙

A級映画

どうもこんにちは!ミギーです。

今回は『永い言い訳』を観ました。

監督・脚本・原作、すべて西川美和の超人間臭い作品。

過去の『ゆれる』や『ディア・ドクター』など、

人間の核心と本質に触れながら、理屈ではなく“そうゆう人間”の感情がどのように動き、

行動するのかを繊細に切り取る天才、西川美和作品の一つである本作を紹介します。

ストーリー

主人公の衣笠幸夫(本木雅弘)は、妻(深津絵里)を事故でなくします。

妻が事故に会った時、不倫相手(黒木華)と妻と住む自宅で密会していました。

葬儀にもでますが、何も感じません。

しかし、妻の親友の遺族(竹原ピストル)と子供たちとの交流を通じて、

人間らしさというか、“大切なもの”を感じていきます。

でも、今まで“それ”に向き合ってこなかった幸夫は苦しみます。

苦しんだ先に、待っているものとは・・・

 

少しだけネタバレ含む感想

一言で感想を言うと

『やるせないが愛おしい気持ちになる』

そんな作品です。

 

のっけからどうでもいい話をすると、

『永い、言い訳』

とタイトルしてほしかったなぁ。(ほんとにどうでもいいが笑)

 

タイトルのままで、

本作はまさに2時間にわたる主人公の“永い言い訳”のようです。

素晴らしいタイトル、お見事。

 

予告編の告白から引き付けられた

「妻がなくなったとき、ぼくは別の女の人と寝ていたんだよ」

ググっと聞いてしまう台詞です。

一体なんでだ?どうゆう理由なんだと。

本編を観ていくうちに理解が進みます。

 

黒木華ちゃんの色っぽさ

個人的にも推しの女優さん、黒木華。

めちゃくちゃ艶っぽいし、色っぽいです。

髪のかきあげ方とか、うなじとかとにかく浮気相手にもったいないくらいの艶っぽさ、

そして、「本当にこんな浮気相手いそう」って思わせる仕草や目線の使い方、

自分は好きでした。

 

幸夫との別れのシーンで、「あなたは私の事、好きじゃなかった」というのは、

とんでもなく“重い一撃”となるセリフ。

サラッと伝えたかのように見えて核心をついたところが、

幸夫を変えるに十分な打撃を与えています。

 

深津絵里の哀愁漂う表情

『悪人』などでもそうですが、

複雑な心境の女性を繊細に演じられるスゴい役者さんだと思います。

交通事故に会う前に、幸夫の髪を切っているシーンが冒頭来ますが、

よく表情とセリフのトーンを観ると、後々妻の思いや心境がどのようなものだったのか鑑賞側に伝わるので、注視してみてみるといいと思います。

 

竹原ピストルのスゴい演技

めちゃくちゃ芝居上手いですやん。。。

 

難しいことはよくわからないが、『何が大切なものなのか?』ちゃんとわかっている人。

ここの子供との触れ合いが、徐々に幸夫を正しい方へ導きます。

役者として“不器用”を演じ切れており、

非常に幸夫との掛け合いに見応えがあります。

無骨で荒々しい、しかし心の奥底に確固たるものがある。

その子供たちに、幸夫が触れて変わっていく。

 

見事でした、その後の出演作がないのはなぜか気になります。

 

 

幸夫の再生にゆれる

時に人やものにぶつかり、酒におぼれても、

助けられるのは“人”。

この映画で救われるのは、竹原ピストル家族がいたからこそ。

人生に絶望して、

やるせない思いで堕落してしまっても、

人は必ず再生できる。人によって。

 

そんなメッセージを感じる映画でした。

 

西川美和作品は傑作が多いです。

私のオススメは本作以外だとまず『ディア・ドクター』。

医師(無免許)として離党に来た男(笑福亭鶴瓶)の話ですが、

これがまたいい。近いうちにまたレビューさせていただきます。

 

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私が勝手に良いなと感じているB級映画っぽい雰囲気。言葉では上手く言い表せないので、日常で見つけたそれっぽい風景を写真で投稿します。カメラの知識は全くありません。素人です。 「世界観」ではなく、私の感覚なので「世界感」

フィルマークスもやってます。

ニックネーム:ミギーの左手

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