どうもこんにちは!ミギーです。
今回は『愛がなんだ』を紹介します。
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名作に、また出会ってしまいました。
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ストーリー
角田光代氏の恋愛小説『愛がなんだ』の実写化。
永遠に埋まることのない男女の距離感を5人の登場人物の視点から描いています。
主要の5人
テルコ(岸井ゆきの)
マモちゃん(成田凌)
葉子(深川麻衣)
仲原(若葉竜也)
すみれさん(江口のり子)
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簡潔に関係性を描くと、
テルコ→マモちゃんが好き(異常なくらい)
マモちゃん→すみれさんが好き
仲原→葉子が好き
葉子→仲原?
的な感じです。
ネタバレ感想・考察~「幸せになりたいっスね」は2回ある~
男性ながらテルコに感情移入してしまった。
マモちゃんに一直線すぎる愛を向ける主人公テルコ。
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冒頭から、電話が来て「ちょうど今から会社出るところ!」
と言いながら自宅を出ていくようなこと、
身に覚えがある(笑)
好きな人からの電話って断りたくないからこうゆう小さな嘘、
ついちゃうんだよね。
私も会社でコーヒー飲みながら、待てちゃうタイプ。
仲原のように呼ばれていくようなところも共感なので、
テルコとマモちゃんはいい理解者同士だったんだよね。
最初の「幸せになりたいっすねぇ」までは。
彼女は嘘もエスカレートしていくわけですが、
なんだろう・・・嫌いになれない。
おそらく、テルコみたいな女性を
私が好きになったことがあるからなのかもしれない。
まっすぐ過ぎて不器用なのだけど、
“そうゆう風にしか生きられない状態”なんだと思う。
それじゃ良くないよってみんないうんだけど、
完全に“聞く耳がない”のよね。
葉子と二人のシーンでも
「あんたまじで変だよ」
って何回も言われていたけどその通り。(笑)
でもね、テルコがスゴいのは、
とにかくマモちゃんに対する反応があまりにも純粋すぎて。
呼ばれて笑うところや、動物園で泣くところ、
すみれさんが出てきて、ラップしちゃうところ、
普通、どんだけ夢中でも仕事辞めないし、
最後マモちゃんが部屋に来てうどん食べながら、
好きじゃないなんて言われた後に、
あんな返し方できない(あの機転が利かない)。
とにかくある意味で純粋すぎる彼女を私は嫌いじゃなかったです。
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そして何よりいい(重い)のは、
そんな自分自身を客観的に見つめている自分もいて、
鏡に幼いころの自分が写って
「本当にそれでいいの?」
(好きな人といるために、他の男に身を寄せるの?)
と問いかけられて、
「いいの」と即答する。
銭湯のシーンやラップ終わりのシーンにもたびたび、
客観的に観た自分が少しづつ入っていながらも、
一貫してマモちゃんに向かう“愛”はもはや鳥肌を超えて恐怖。
一緒に入れればいいどころか、マモちゃんになりたい。
だから最後は飼育員になったのかな。
でも・・・あのシーンは必要かな。(笑)
このテルコという役を見事に演じ切った、
岸井ゆきのという女優さん。
いままで認知していなかった自分が恥ずかしいのですが、
今後は要チェックしていきます。
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マモちゃんという生き方
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すみれさんに思いを寄せるマモちゃん。
テルコとは逆に、マモちゃんには感情移入できなかった。
洗濯物とかキレイにたたんでくれると嬉しいし、
掃除までしてくれるなんて、なんて献身的で素敵な人。
と思う私は、風邪の日に呼び出してあんな雑に追い出す男にはなれない。
すみれさんのどこがいいのかもよくわからない私は、
テルコにどっちつかずの姿勢にモヤモヤしてたのですが、
彼もまた“そうゆうどっちつかずの関係が心地いい人”であり、
イケメンで女性たちを弄んでいるわけではないことがわかると、
また愛おしく見えるキャラクターになっていくのでした。
テルコとのお風呂のいちゃいちゃするシーンとかとても良かったなぁ。
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あと、追いケチャップね。あれは名言(笑)
葉子の恋愛に対する恐れ
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家庭環境の影響もあって、男性に弱さを見せられない葉子。
ずっと一緒にいるはずの仲原くんにも、
“一人で寂しくなるようなことなどない”と思われていた彼女も、
また不器用で愛に向き合えない女性なのだと感じました。
終盤のテルコとのぶつかり合うシーンは見物。
両方とも、どの口が言っているんだと片隅で思いながらも、
グッと引き込まれるぶつかり合いにくぎ付けになりました。
最後、寂しくなるようなことってある?と確認したテルコですが、
よく考えたらすでに伏線は貼られていて、
大みそかにテルコと仲原君を置いてパーティに出かける彼女は、
たぶん少し気になる人がいて誘われたから行ったわけで、
目の前にある母とテルコと仲原君という存在が、
本当に大切なものだと気づいていないのですね。
しかし、仲原君が離れて、その後エゴサーチして個展に来て、
自分の写真をみてハッとする。
きっと彼女は、仲原君のいない間で多くの事を考えて、
またきっと復縁する(きちんとした関係がはじまる)ような予感がしました。
この繊細な役を演じ切った深川麻衣さんという女優さんも、
また知りませんでした。
元乃木坂メンバーなんですね。
個人的には貫地谷しほりのような実力派女優になるように感じました。
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仲原君に好感しかない
本作のキーパーソンは間違いなく仲原君でしょう。
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葉子のことが好きなのだけど、
“つい寂しくなった時にいつでも呼ばれるような存在でありたい”
と自分を偽ってしまうのですね。
しかし、キャンプに出掛けてすみれさんから全否定を受けて気づき、変わっていく彼。
セブンイレブンの前でテルコと話している彼は、
もう自分に正直で、弱さを受け入れようとしていて、
まっすぐ立ち上がっている姿には好感しかなかった。
テルコの罵声にも素直に答えて、弱さと向き合う姿、
男らしくて好きだった。
大みそかの時とは違う、
「幸せになりたいっスねぇ」
がやけに沁みた。
この役者誰なんだと思ったらまたしても知らない俳優さんだった。
若葉竜也。しっかりと覚えておこう。
すみれさん最強かよ
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まさに自分の人生を謳歌しまくっているんじゃないかと感じるすみれさん。(笑)
不健康な生活に加えて、不健全な男女関係も多い中で、
実はけっこうまともなことを言っているというポジション。
キャンプでの仲原君への堂々たる指摘は、
仲原君の怒り・動揺を導くには十分なフリでございました。
そしてさんざん言いまくった後での
「決めた!私、仲原っちにパスタつくる」
最強かよ。
あの一瞬で空気変えるの最強か。
自由奔放でのらりくらりやってきているあの感じは、
『ジョゼと虎と魚たち』で見せたそれにとても近い印象を受けたが、
さすがにジョゼ虎から年月も経っている分、
とても芝居の感じも深くなっていていい。
派手な原色の服着ているのに、ヤンキーっぽくないところもGOOD。
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5人のキャスティングが絶妙なバランス
一人一人が実力派で引き込まれるシーンも多かった。
静かな映画だけど、眠くなるなんてことはなく、
むしろ時間の流れを忘れるくらい魅入ってしまって
120分があっという間だった。
”愛がなんだ”というより、”愛ってこうゆうもの”って意味だと思う
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たぶん愛って形がないものだから、いろんな形があっていいのだと思うけれど、
あまりにも生々しくてリアルなところが本作の良いところだろう。
5人のうち、誰かに自己投影できる人がいなければ本作は駄作とみられる可能性が高い。
一方、恋愛をある程度経験した人ほど、
どこか自分事のように感じる瞬間がきっとあって、
そしてそれって、愛だったかな?
と考えてしまうのかもしれない。
レイトショーで観たその日の晩御飯はうどん。(味噌煮込みじゃないやつ)
帰って金麦1本飲みました。(笑)
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント
[…] 監督は『愛がなんだ』の今泉力哉。 […]
[…] 妙子(岸井ゆきの)が醸し出す雰囲気がめちゃくちゃいいです。『愛がなんだ』でもそうだったように、自然体ながらきちんとキャラが立っていて、いつまでも見ていられる女優さんです。本作は1カットの尺がとても長いことが特徴なのですが、友達が自分の父親を好きになってしまう中で、自分自身も彼との結婚や恋愛を考えたり、父親と母親の間で揺れる心情を見事に演じ切っていると思います。 […]