<感想の前に>
この映画、公式サイトが面白いです。
出版社のダイヤモンド社は主催する『ダイヤモンド倶楽部』会員の社長に感想を求めていて、共感の嵐が(笑)上場会社役員さんもいるという
あと、七つの変な会議というマンガも投稿されています。
一番右下の部長・・・のやつが面白い(笑)
エキストラの方の写真館っていうのもいいですね。
管理人の私も映画のエキストラ出演経験ありますが、
まぁエキストラってだいたい本編にはほぼでないです(当たり前ですが)
一方で拘束時間は1日とか数日にわたるケースもあるので、
こういった写真が公開されるのは出演者さんにとって嬉しいこと。
<監督・キャスト>
監督:福澤克雄
池井戸潤作品御用達の監督。
どこかで聞いた話だが、池井戸潤さんって、細かなキャストやディテールまで拘るのだとか。
主人公=野村萬斎
ヒロイン=朝倉あき
<あらすじ>
テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を野村萬斎主演で映画化。
中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。
そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。
坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。
八角役を自身初のサラリーマン役となる萬斎が演じ、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也といった池井戸ドラマ常連俳優が顔をそろえる。
監督は「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」など、一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄。(映画.comから引用)
<こんなあなたに見てほしい>
経営者もそうですが、全係長に観てほしいです(笑)
そもそも面白いのこれ?観た方がいい?って方。
サラリーマンかOL体験したことある人は特に必見です。(経営者さんも・・・)
まずは登場人物の整理から。
八角民夫(野村萬斎)
東京建電の万年係長。
苗字はヤスミと読むが実際にはハッカクさんと呼ばれるぐうたら社員、通称“居眠りハッカク”。この係長、ヤバすぎです
北川誠(香川照之)
東京建電営業部長。結果第一主義で厳しく社員にあたる。
予告編に映っていますが、
「売って売って売って売って売って売って、売り倒せ!!」
なんて言ってくるホントに自分の上司にいたら絶対嫌な(笑)猛烈部長。
原島万二(及川光博)
東京建電営業二課課長、常に二番手の男で気弱なタイプ。
(かっこいい・・・私の上司に欲しいです)
坂戸宣彦(片岡愛之助)
東京建電営業一課課長、ノルマはずっと達成、バリバリの営業エースと呼ばれる男だったが…
(スーツも似合うんですね。。)
浜本優衣(朝倉あき)
営業一課の課員。寿退社を控えている。
(こうゆうOLいそう。本当は可愛いのに地味みたいな)
三沢逸郎(音尾琢真)
4代続く町工場“ネジ六”の社長。東京建電に契約を切られた過去がある
江木恒彦(立川談春)
東京建電の下請け、トーメイテックの社長
村西京助(世良公則)
親会社ゼノックスから出向している東京建電副社長
梨田元就(鹿賀丈史)
ゼノックス常務、東京建電に出向していた時は北川・ハッカクの上司
(料理の鉄人・・・)
宮野和広(橋爪功)
東京建電社長、たたき上げで社長に上り詰めたプロパー
(いる、こうゆう社長いる。)
徳山郁夫(北大路欣也)
ゼノックス社長。出席する会議は御前会議と呼ばれる
予告編ご覧になりましたでしょうか。風格ヤバいです
(犬のお父さんというラスボス)
能楽師、歌舞伎役者、落語家など領域も多岐にわたる演者ばかり
その他わき役に役所広司や土屋太鳳、吉田羊、小泉孝太郎や溝端淳平など、
主役級のキャストがゾロリゾロリ・・・で、
わき役にも目が離せません!
一言でいうなら“濃い”です。
ひろーい田んぼが出てきたり、ドアップの顔が映ったりして、
詰めるところは詰めて、緩めるところはゆるく映像の強弱もいい感じ。
「平成最後の企業エンターテインメント」のフレーズがぴったりです。
組織の立ち位置や、見方、話の切り取り方で変わる立場、
色んな表情や仕草、セリフが違和感なく流れるように進んでいて、
演者のうまさが際立っています。
人間クサさが溢れてて、本当にこうゆうサラリーマンいるんだろうなと感じました。
香川さんの顔力は半沢直樹で観て以来忘れられないのですが、
本作でも存在感&顔力は健在。
企業の不正を暴く作品で野村萬斎が主人公ですが、
キーマンは誰なのか?ストーリーはどのように進むのか?
ぜひ、楽しみにご覧下さい!
<※ネタバレ感想※注意>
※この後ネタバレ注意※
さて、坂戸のパワハラから始まる物語は、ネジの不良へ話が発展します。
坂戸はノルマをクリアするために毎日必死で、追い込まれ続けていたところ、
トーメイテックの社長から規格未満のネジであれば誰にも気づかれず、安く納品できると提案され、話に乗ってしまっていました。
しかし、本当の黒幕はトーメイテックの社長ではなく、なんと東京建電社長の宮野。
ヒントはドーナツにありという。(笑)
宮野は親会社に自分の力を誇示するため、坂戸を犠牲にし、バレたらすべてを坂戸1人のせいにすればよいと考えていたというとんでもない社長。
坂戸は会社に尽くした結果、会社に裏切られてしまいました。
しかし、ハッカクさんがすべての不正を暴き、
最後はゼノックス社長の徳山がお縄というオチ。
宮野も結局その上の上司の作った文化、そのまた上司も作り上げられた不正という文化に染まるという、やっぱり頭が腐っていると、指先も腐っているよな。
という、日本の会社組織を痛烈に批判する内容に感じました。
ここで七つの会議名言を。
名言①
「しがないサラリーマンというトロッコに乗って、
ときに急カーブに翻弄されつつ、振り落とされないよう、
必死でしがみついてきただけだ」
・・・なんかわかるような気もします。
名言②
「期待すれば裏切られる。
その代わり、期待しなけりゃ裏切られることもない」
・・・なんかわかるような気もします②。
名言③
なんといっても
野村萬斎のエンディングに、痺れるセリフ。
「この国から、不正はなくならない!」
萬斎さん言うとカッコよすぎ。(笑)
「さあ昼寝の時間だ!」も最高!
<最後に>
2006年の東宝シンデレラガールがきっかけで芸能界デビューした
朝倉あき。
本作の主演は彼女です(笑)
本作での朝倉あきは輝きまくっていました。
原作ではすぐに退場する役ですが、映画では全編にわたって活躍しています。
ドーナツと朝倉あきが結ぶ、バラバラだった七つの会議と言って過言ないはずです。
『かぐや姫の物語』しか知らないで申し訳ありませんでした。
こんなに素敵な女優さんがいたなんて。
今後は見逃せない存在です。
※映画『七つの会議』は、原作からの見事な改変もあって、バラバラな視点で語られたオムニバス形式の物語が一本の縦軸がはっきりした作品に仕上がりました。
原作:七つの会議
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