はいどうもこんにちは、ミギーです!
今回紹介する映画は【十二人の死にたいこどもたち】
ネタバレありなので閲覧ご注意下さい!
集団自殺をするために集まった十二人のこどもたち。しかし、そこにはいるはずのない十三人目が!死にたいと言っている割に、自殺はいいけど殺されるのは嫌と言うこどもたちが織り成す推理サスペンス×ヒューマンドラマを楽しむ映画です。
つまらない、面白くないという声もありますが、ミギー的には中盤までは怖さアリ、ミステリアス感ありでめちゃくちゃ面白いです!終盤はダレます。。なんというか十二人の個々の事情が説明セリフ気味だし、ちょっと仲良くなって病院を後にするのですが”違和感”を感じざるを得ません。作品の完成度としては低くB級映画でしょうか。
しかし!着目するべきは作品そのものの『メッセージ性』です。若者の自殺は社会問題。そこに向き合った意欲作としては一定の評価を得て良い作品だと思います。
本作はAmazonプライムビデオで月額500円(+本作はレンタル料)で観ることができますよ!
月に映画1・2本くらいかなって人でも、プライムならおトクです!
この作品は、観る人を少し選ぶ作品でございます。早速レビューいってみます!
ネタバレありますので、ご注意ください!
犯人(十三人目であり0番)はユキの兄
12人のしにたいこどもたちの集まった場所にいた13人目(劇中では0番)は12番プレートを持ったユキの植物状態の兄。元々仲良しだった兄弟であるものの、2人乗りしていた自転車でふざけたせいで兄が植物人間になってしまい、「一緒に死のうと思った」と供述。この13人目がいたために、本作は様々なシーンへ発展。この重要な0番の死体を演じるキャストはモデルのとまん。廃病院に集まった12人のこどもたちは、ユキのお兄さんである0番を見つけたり、隠したり、それを推理し、周囲を疑い、自分と言うバックボーンを出していきます。
もう一人の犯人(集団自殺の首謀者)はサトシ
集団自殺の舞台を整えたのはサトシ(高杉真宙)で、集まった産婦人科医院もサトシの親の病院。
父の自殺が原因で廃病院となっただけではなく、母が兄と共に無理心中を図った過去もあります。正直、強烈過ぎる家庭環境です。私のような一般ピープルでは耐えきれません。なお、映画での開催は3回目とされています。サトシは死ぬ覚悟は出来ているものの、結局どれも実行されずに来ています。自殺したい理由を一人一人聞き出していくうちに、死ではない選択を皆選んでいく姿を見届けているあたり、実は心優しいやつだったのかもしれません。
ネタバレ~結末は誰も死なないで解散~
十二人のこどもたちは死にたいだけで死にません。『生きる』という選択肢を取ります。正確にいうと『死にたいとは思っていたけど、(自分はこの世に)産まれてくるべきではなかったとは思わない』から自殺計画を中止したとなります。
物議を醸したのはアンリ(杉咲花)で、「自分は産まれてくるべきではなかった」という発言が問題になります。皆死にたいと思っているけれども、生まれてくるべきではないと思わなかった。
トドメはシンジロウ(新田真剣佑)
シンジロウは余命があります。1か月後になるのか、1年後になるのかわからないけれど死ぬという運命が決まっており、それなら自分で終わらせようということでこの会に参加しています。しかし、シンジロウ以外は理由は様々ですが、死ぬに値する理由が各人あるけれども生きるという選択肢を取ることもできる。と気づくのです。
「もう無理だ」とそれぞれ思っていたけれど、死ぬことが目標ではなく、その先の目標を生きて達成するという選択肢を与えたキーパーソンはシンジロウでしょう。
でも何よりビックリしたのは・・・シンジロウの推理力です。(笑)名探偵コナン顔負けの推理力ハンパないです。
誰も死なないことは鑑賞前に知ることができた
すでにキャンペーンサイトは閉じられていますが、本作は厚生労働省とタイアップしています。誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し「若者の自殺防止」をテーマに 「『死にたい』その一言を他人ごとにしない」という啓発メッセージを掲載したタイアップポスターが全国の都道府県に掲出されました。
そう・・・厚労省タイアップ映画で若者が次々自殺なんてするわけないじゃないですか。鑑賞前から「死なないんだろうな」とは思っていて、公開時から激しくツッコみたかったですが、おそらく大人の事情で断れなかったのかなと思っています。
死にたいとは生きたいと思うことと同じ
劇中のシンジロウ以外の子供たちは死にたい理由がありますが復讐も、偏愛も、いじめも、死なないで解決(達成)できる道へ導かれます。
死にたいという”目標”があるということは、それを生きて達成する理由があるということ。 意外とメッセージ性はしっかりしていて、面白いです。
結末の考察~社会問題に向き合う意味ではいい映画!~
ラストに論点が死にたいから→自殺する、ではなく、
産まれてくるべきではなかったか?→NO
という結論になったのです。
アンリを除き『死にたいという思い』があることに変化はなく、死にたい思いを持ったまま生きていく選択を取ったのだと考察できます。
自殺する人が世の中にいることは管理人も知っています。人生ってきっとうまくいきません。だから電車に飛び込む人がいたり、新幹線でガソリンを被って火をつけたりする人がいるのだと思います。この映画は、推理サスペンスの裏側にあるテーマを見つめると良作ですが、推理サスペンスを楽しみたい人にはおそらく駄作・・・ここの融合って難しいのかなと感じます。
十二人がそれぞれ事情を抱えています。環境や境遇によるものが多いですが、普通に生活している中では出会わないケースも多いので十二人の誰かを身近に感じる人は少ないと思われます。
強く死にたいと思っていたこどもたちが生きると決断するまでの導線が若干弱い(おそらく映画の尺に納得感が出るまで訴求するのは至難)のため、作品自体がつまらないと感じられる方も多いのではないかと感じました。原作の文庫本では500ページにも及ぶ内容なので、2時間では無理があったかも?
キャストは主役級が6人と超豪華
映画『楽園』で演技派の実力をいかんなく発揮した杉咲花(7番・アンリ役)
『ちはやふる』に影響を受け役名の新田を入れて更に飛躍中の新田真剣佑 (5番・シンジロウ役)
『君の膵臓を食べたい』など活躍が止まらない北村匠海 (9番・ノブオ役)
『賭ケグルイ』でも存在感抜群だった高杉真宙 (1番・シンジ役)
『サクラダリセット』でヒロインを演じた黒島結菜 (6番・メイコ役)
そして、映画公開前に秘密にされていた4番・リョウコ(秋川莉胡)に、
『かぐや様は告らせたい』『キングダム』など話題作多数の橋本環奈
若手もオールスターキャストといって過言はありません。
まとめ
推理サスペンスとヒューマンドラマの融合には失敗していると感じますが、作品自体は広まっていいと思います。残念なのは、若者の自殺問題があるという啓発映画にはなりますが、この作品を観て自殺を考えていた人がそれをやめるかと言うとかなりの疑問で、万が一自殺を考えている人に出会った時、私はこの映画を本気で勧めることはありません。(大衆映画に振ってしまった代償ですね・・・)
最後、笑顔で解散した子供たちがまた孤独になり、1人の時間を過ごすときに思い詰めてしまうのではないかと考えてしまいます。
なお、ネタバレ記事と言うことで、タイトルに書いたので時系列で映画内容を暴露しようとしたのですが、テキストで観るとパンクする情報量なので本ブログでは記載しませんでした(書いている途中で諦めました)検索意図と違いましたら大変失礼しました。
こんなブログを最後までご覧いただきありがとうございました!
別のレビューもぜひ観て下さいね。
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