【楽園】ドライな陰湿感漂う一本。犯人は誰だったのか?!少女の失踪事件を通じて、3人のキャラクターが『楽園』を探す物語。ネタバレ考察&感想レビュー

ヒューマンドラマ

はいどうもこんにちは、ミギーです!
今回紹介する映画は【楽園】

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©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

う~む、陰湿でした。。
吉田修一原作は好きなのですが、こうゆうタイプで来られると何とも言えない気持ちになります。
吉田修一原作の映画化で一番好きな作品は『パレード』

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あの陰湿とはちょっと違って、なんとなくドライなのが本作の特徴かと感じます。
人間の闇というかドロッとした部分を垂れ流すような『パレード』に対して、
非常にドライに、淡々と流れるような人間味具合が実に良かった。

『悪人』『64ロクヨン』など数々の名作を手掛けたコンビ作品。
過去作品はVODの中でも最もコスパが良いAmazonプライムビデオでどうぞ!

この作品は、デートだとNGかと思います。
恋人同士、中を深めるにはハードルが高く、むしろ本作を一緒に観て平気な間柄であればとても仲が良い・理解あるパートナーと言ってよいと思います。
見る人を選びます。とある殺人事件を題材にしたサスペンスですが、犯人探しが主旨ではありません。ちょっと予告編の見せ方が間違っているかも?

早速レビューいってみます!ネタバレ気味なのでご注意下さい!

犯人は誰だったのか?

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©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

最も有力なのは豪士(綾野剛)のように見えますが、真実は語られていません。
Y字路で、別々の方向に歩いたとされる紡(杉咲花)が、ラストではY字路で別れることなく、少女を後ろから追いかける豪士を見ている画が流れます。
ストレートに受け取ると豪士なのですが、紡が全体を通して彼を守るような行動・言動のため「何か含まれている」感じが、断定し切れないところ。

私は、「皆が殺したんだ」という紡の言葉が真理なのだと感じました。

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©2019「楽園」製作委員会 予告編より引用

ただ、主旨は犯人探しではなく、
ラストまで観た方は理解されていると思いますが、
本作は一人の少女の失踪事件を通じて、3人のキャラクターが『楽園』を探す物語です。
吉田修一作品で私が共通して感じていることとして、キャラクターのそれぞれは、様々な心の動きを経て”そこ”に行きついた人という印象があります。
行き場がなく逃げ出してしまった。たどり着いた先は、底辺のような場所だった。形成された人格は仕方なく出来上がってしまった形だった。
『楽園』の登場人物も例外ではなく、3人は3人がなるべくしてたどり着く人格と運命が待っています。

3人に共通する孤独と”救い”

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©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

本作は長野県のある田舎村が舞台で、保守的であり、「村社会」が存在する閉鎖的なコミュニティになっています。
村社会でわかりやすいのは「異物を排除する」という方針があるということ。
1人の少女の失踪事件が起きた。1人は容疑者で疑われ、1人は”生き残った方の少女”として見られることに。1人は村八分に会い、奇怪な運命をたどることになります。
共通しているのは孤独なのですが、自分なりの楽園を全員が捜しています。というか登場人物全員が探しているという意味では、人間は楽園を探す生き物であるというような定義もできるように感じます。
3人は”みんな”が目指す楽園に”いらない人”になってしまうのですが、”みんな”も実はそれを理解しているのですね。
柄本明演じる失踪した少女のおじいさんのセリフで、
「誰かを悪者にしないと行き場がない、豪士が死んでホッとした」と言っています。
悲しい結末ですが、人間の真理なのだと思います。
一方で”救い”も全員に描かれています。

誰も触れることのできない「孤独」へ向かってしまった豪士(綾野剛)

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

すっと居場所がなかった。でも、救いは紡です。しかし彼は孤独へ向かってしまった。その器では紡を受けきれなかったのだと感じます。どこか通じ合うものが合ったにもかかわらず、自ら命を絶ってしまったのは、紡の愛のような共感のようなものなど吹き飛ばすほどの、排除する力に屈してしまったからなのだと思います。
本当は孤独でない道も歩めたはずなのに、そこに気づくというか、しがみつくことができなかったのが、本作の悲しいところ。”そちら側”に静かに流れるように向かい、最後ブーストが掛かる場面も違和感がなく演じた、 綾野剛はさすがでした。

自分を追い詰めた先で閉じこもっていた紡(杉咲花)

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

親友が失踪し自分のせいだと思いながら学校を卒業してしまった彼女。取った選択は”誰にも触れない”という生き方でしたが、豪士という同じシンパシーを持つ人間と波長が合うようになっていきます。
惹かれるのではなく、寄り添うわけでもない、しかし”何か”に引っ張られて繋がっている絶妙な感じがとても良かったです。
彼女の救いは、紡に想いを寄せる幼馴染の野上(村上虹郎)だったように感じます。

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用


どこか空っぽだった彼女に一石が投じられ、やがて心が開かれていく。どこか温かな気持ちになる2人でした。杉咲花ちゃんは演技力抜群のはずなのですが、どこか恵まれていない印象を受けます。
キムタク主演の『無限の住人』や福士蒼汰君の『BLEACH』などちょっと惜しいやつに出ているのですよね。実力としては『湯を沸かすほどの熱い愛』でもう十分確立されています。
『銀魂』の橋本環奈のように、作品に恵まれれば大ブレイクする女優さんのはず。
本作は黒木華のような本格派の印象を与えられました。こちらの方面の役でも活躍できるのを期待しています。

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

掛け違ったボタンがもう戻らなかった善次郎(佐藤浩市)

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

とにかく印象的なシーンが多かった善次郎。
土をね・・・食べます?めちゃくちゃ気持ち悪かったです。
本当に食ってるし長回しだし鑑賞側は逃げられません。
その後の切腹ですよ。こちらも尺を使った長回し。
もう大丈夫お腹いっぱいと思ってもまだ続く長さ(笑)強烈に肩に力が入りました。
人妻との混浴&ラブシーンについては、
「おううううふ」が止まりませんでした。

『よこがお』の筒井真理子を彷彿としました。
話がだいぶ逸れましたが、彼の救いは黒塚(片岡礼子)だったはずです。

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

想いを寄せ身を案じられたにも関わらず、亡き妻への想いと、ひょんなことから村八分にされた孤独が相まって、もう戻れない道へ進んでしまったことが悲しい。
しかし彼もまた、そのようにしか生きれない人だったということ。顛末として死ぬことが出来なかった彼がその後どうなったのか考えると、なんとなくむなしくてなりません。
奇行に走るどこが歪んだままの善次郎を演じた佐藤浩市もまたさすがでした。
ちなみに佐藤浩市出演作で一番好きなのは『少年メリケンサック』です(笑)あとは『誰も守ってくれない』。

まとめ

©2019「楽園」製作委員会 公式サイトより引用

『悪人』や『64』が良すぎたせいか、ちょっと外した感を否めません。
これは「犯人誰だ?」の予告編がミスリードになっていたように感じます。
役者陣は抜群に良く、これ系の「行き場のない思い」は総じて表現が叫んだり暴れたりとオーバーになることが多いのですが、淡々とドライに進んだのは本作の良いところと思います。脚本と演出、素晴らしかったです。
しかもそのドライ進行で”眠くならなかった”というのも意外と評価して良いポイントかと。
日本映画っぽい陰湿感がありながら、どこかドライな作品でした。

最後までご覧いただきありがとうございました!
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