はいどうもこんにちは、ミギーです!今回は番外編です。
韓国映画【パラサイト 半地下の家族】がなななんと!
第92回アカデミー賞作品賞を受賞しました!!!
何がすごいのか?ミギーが徹底解説していきます!
外国語映画ではじめてアカデミー賞(作品賞)を獲った
作品賞受賞は何がすごいのか?
👑外国語(英語じゃない)映画で初(全編韓国語)
👑アジア映画単独で初
👑当然韓国映画としても初
👑100%韓国資本作品
👑パルムドール賞→アカデミー賞作品賞受賞は過去1度だけ
などなど、映画史に残る大事件的な快挙であり、アカデミー賞の歴史が変わったと言って過言はありません。
作品賞以外にも、脚本賞、国際長編映画賞、監督賞の4冠を達成しています。韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領もFacebookでお祝いのコメントを出せば、韓国のSNS上には、「ノーベル文学賞よりも先に、アカデミー賞を取った民族になってしまった」というコメントまでありました(笑)
一体何がスゴイことなのか?以下考察になります。
考察①なぜ作品賞を受賞できたのか?
考察するといろいろ出てくるのですが、まずは何よりも
「作品が優れていた」(とアカデミー会員が感じたから)
ここに着地するかと思います。とはいえ、他の候補も強敵が多いです。 『1917命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『ジョーカー』など、第92回アカデミー賞では候補作が9本ありました。
考察②運も良かった
作品賞は作品の力だけではなく、「運」の要素、そして「努力」の要素も無視できません。運の部分では、今回は良くも悪くも混戦。頭一つ抜けていたのは『1917』くらいかと感じます。アカデミー賞は全部で24の本賞がありますが、いわゆる主要部門の6部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞)のうち作品賞・監督賞以外はすべて異なる映画でした。
主演男優賞=ホアキン・フェニックス(ジョーカー)
主演女優賞=ローラ・ダーン(マリッジ・ストーリー)
助演男優賞=ブラット・ピット(ワンス)
助演女優賞=レネー・ゼルウィガー (ジュディ虹の彼方に)
俳優部門なので一概にそうとは断言できませんが、混戦だったことをくみ取れる内容にはなるかと思います。ぶっちぎりの敵がいなかったことも幸運だったように思います。
考察③ポン・ジュノ監督の努力
一番は努力の部分が大きかったように思います。アカデミー賞が開催されるまでには、カンヌ国際映画祭やゴールデングローブ賞など、いわゆる”前哨戦”なるものがあります。ポン・ジュノ監督は、各国の映画祭で160を超える賞を受賞し、スピーチで爪痕を残し、更には賞レースより前から試写会などに積極的に顔をだし、プロモーションを欠かすことなく行動してきました。韓国では、すでに観客動員1000万人を超える大ヒット。日本国内190の映画館で上映されていて、観客動員数も100万人を突破。興行収入は15億円を超えています。
作品の質と監督の努力が実を結んだ結果とミギーは考察しています。
外的要因も後押し
第88回アカデミー賞で、「OscarsSoWhite」(白すぎるオスカー)問題がありました。第87回から引き続き俳優部門でのノミネート20名が全員白人だったのです。これは多様性に欠け、公平さに欠ける賞であるという批判があったことから、今回までにアカデミー賞を審査する会員に女性、また白人以外の会員を招待してきました。ハリウッド映画が一番であるというような文化から徐々に「本当に良い作品が受賞する」土台が出来てきているのではと感じます。
またアカデミー賞には国際長編映画賞(旧:外国語映画賞)があるため、英語以外の作品の最高賞はここで終わりという見方が非常に強くありました。しかし第91回アカデミー賞で、ネットフリックス制作映画『ローマ』が「作品賞を取るのでは?」という噂があったように『米国の映画がアカデミー賞作品賞』というアカデミー会員の考え方が変わってきたことも機運の高まった要因と考えられます。
ポン・ジュノ監督のスピーチに感動
すでに多くのニュースで出ていますが、特に監督賞を受賞した際のスピーチには感動しました。全ノミネートの監督に敬意を払いながら、謙虚に、しかし韓国人監督としての存在感もバッチシ残しました。
第92回の監督賞ノミネートは5人です
ポン・ジュノ=パラサイト
マーティン・スコセッシ=アイリッシュマン
クエンティン・タランティーノ=ワンス・ア・ポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
トッド・フィリップス=ジョーカー
サム・メンデス=1917 命をかけた伝令
スピーチ(監督賞受賞後)
(拍手)ありがとうございます。国際長編映画賞を受賞した後、もう今夜は終わりだと思いリラックスできると安心していました。(会場笑)
映画の勉強をしていた若い頃、私が心に深く刻んだ、ある言葉があります。
『最もパーソナルなことこそ、最もクリエイティブなことである』。
これは、偉大なるマーティン・スコセッシの言葉です。(スコセッシに一礼、スコセッシも笑顔でお辞儀)
学校では、マーティン・スコセッシの映画を勉強しました。今日は(スコセッシと共に)ノミネートされただけでも誇りに思います。勝つなどとは想像もしていませんでした。(拍手)
アメリカではまだ私の映画が知られていない頃、クエンティン(・タランティーノ)はいつも私の映画をお気に入りリストに入れてくれました。クエンティン、アイラブユー!(クエンティン・タランティーノと笑顔で挨拶を交わす)
トッド・フィリップス監督とサム・メンデス監督、尊敬する素晴らしい監督です。もし許されるのであれば、テキサスチェーンソーを借りてこのオスカー像を5つに切り裂きシェアしたいです。 (会場笑)
ありがとうございます。明日の朝まで飲み明かします (会場笑)
是非、動画でご覧ください。スコセッシへのスタンディングオベーションは言葉はわからなくても感動します。 なお、アカデミー賞受賞時のスピーチの時間は一人あたり45秒と決まっているそうです。(そしてだいたい伸びます笑) 何分あるか確かめて見て下さい^^
言葉の壁はなくなった
受賞後の記者から「歴史的な瞬間をどう受け止めているか?」という質問に、
「 (英語以外の) 外国語作品には字幕の壁があると思っていましたが、人々はそれを乗り越えました。外国語の作品であるかどうかはもはや関係ないのです」と喜びを語りました。
いい映画はいいと評価を受ける土壌は出来つつあり、ハリウッド以外の多くの国にオスカーの扉を開いた第92回アカデミー賞は歴史的な瞬間と言って良いでしょう。
日本映画はアカデミー賞を獲れるか?
すでに世界に出しても恥ずかしくない良い作品はあると思います。世界で通じる作品が。
日本人の多くが、その映画に触れることなく生活してしまっているだけ。というのがミギーの考えです。
日本での興行収入はアニメ(コナンやポケモン、ドラえもん、ワンピースなど)がメインで、2019年のNo.1興行収入は『天気の子』でした。実写映画では『キングダム』、『翔んで埼玉』、『マスカレード・ホテル』、『コンフィデンスマンJP』、『劇場版おっさんずラブ』が上位となっておりこれで世界へ・・・というのは心もとないように感じます。今一度、映画を多くの人が触れる機会をつくり、良作を生み出し外へ出していく機運が必要ではないかと思います。
まとめ
アカデミー賞は1929年に設立された「映画芸術科学アカデミー」という会員組織の夕食会の一環として始まりました。そのため基本はアメリカ映画を対象とした賞であり、作品の選考対象も「1年以内にロサンゼルス地区で連続7日以上上映された40分以上の作品」(その他細かなルールアリ)と定義も狭く、これは現在も変わっていません。
つまり、アカデミー賞とはアメリカ映画を表彰する内輪の発表会だったのですね。ところが、知名度が抜群に高いこと、また世界三大映画祭(ベネチア国際映画祭・カンヌ国際映画祭・ベルリン国際映画祭)よりも古い歴史を持つ賞であるため、マーケットへの影響力は国際映画祭の各賞以上に大きく、かつ米国での視聴率は全米トップクラスであるため、『映画の祭典』として受賞結果が各国の興行成績に多大な影響を与えるようになりました。
第1回からはじまり、第91回目までの映画はサイレント映画を除き、作品賞受賞作はすべて英語でした。外国語の映画の最高賞は国際長編映画賞(旧:外国語映画賞)で止まり、作品賞の受賞など夢のまた夢・・・が第92回のいま、夢の扉は開き、日本にも大きなチャンスを掴む機会が開かれたように思います。
日本映画は戦えます。間違いなく。
今回はパラサイトの受賞を素直に喜びながら、日本映画受賞の日を楽しみにしています。
なお、すでにパラサイトをご覧になったことがある方はこちらのレビューもどうぞ!
https://bkyumovie.com/parasite
最後までご覧いただきありがとうございました!
次のレビューもまた見て下さいね!
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