はいどうもこんにちは、ミギーです!
今回紹介する映画は
【人間失格~太宰治と3人の女たち~】
太宰治が読みたくなる映画でした。
特に『斜陽』『ヴィヨンの妻』『人間失格』。
この3作を読んでもう一度映画を観返すと、
深く本作を楽しめると思います。
「高校生の時、太宰読んだんだけどな・・・何年前だろう?」
という方、予習して観ると良きです!
(私は『人間失格』を読んで映画を観ました。)
映画を楽しめるのもありますが、
高校生の時(子供の頃)読んだ太宰と、
今(大人になって)読む太宰は、結構違ったりするから面白いです。
本作はデートだと向き不向きあり。
友人などと観るのがおすすめ。
R15指定ですが、エロ系のR指定です。
(でもそこまで激しくもなかったかも・・・)
早速レビュー行ってみます!
ベストシーンはエリカ様
個人的なベストシーンは、
伊豆で逢引き(密会)した際の、
背中を露わにして窓辺に佇む沢尻エリカ様。
窓辺は逆光で白。
こちらを振り向くことなく外を見ているのですが、
背中姿が妙に美しい。
かつ、太宰がいなくなった寂しさも前後の関係も含めてよく伝わってきます。
「男は背中で語る」みたいなことを良く言いますが、
女性でこのシーンはスゴいと感じました。
一瞬しか映らない一方で強く印象づいています。
あれ・・・蜷川実花ワールド、、弱め?
前作『Diner』や『ヘルタースケルター』のような、
極彩色が乱れ飛ぶ『THE・蜷川実花監督』は今回控えめ。
衣装やセットの至る所に、
蜷川実花の片鱗を感じるものの、
『迫るもの』というか『グイグイくる感』が弱かったです。
一方で、「蜷川実花、苦手なんだよね」と言う方にも本作はオススメ。
蜷川実花って、こう、
”空間全体”で攻めてくる感じ
が個人的にはとても好きなんですね。
例えば赤いバラがあるところに周囲も赤いテーブルや照明で、
かつそこに赤い血が流れるとか、
普通ちょっとケバケバしいじゃないですか。
でもその空間で違和感がないように見せるというか、
魅せるのはバラではなく、バラがある空間全体なんですよ、多分。
そうゆうシーンが多いのが蜷川実花監督だと思っていたのですが、
本作ではいい意味で裏切られました。
あ、伝記映画になってる!って感じです。(笑)
『人間失格』と太宰治の考察
本作はもともと『人間失格』を映画化するプロジェクトだったのを、
蜷川実花がいろいろ調べているうちに、
太宰治を取り巻く女性関係が面白いということで、
企画が変更になって本作になったと何かのインタビューで読みました。
太宰治は『人間失格』を最期の作品として入水自殺していることから、
『人間失格』は太宰治の”遺書”として勢いで書き残した作品である
と考えられていました。
しかし、太宰治の没後に親族から『人間失格』のための、
いわゆるネタ帳が公開されたことで、前々から構想にあったものという説が上がり、
勢いで残した遺書であるというの可能性は低いとなっています。
このあたり、勢いで書いたものではなく、以前に構想としてあった人間失格を、
成田凌くん演じる編集者によって、
書く決心を促された描写も劇中にしっかりと収められており、
マニアの方まで行くと納得感はどうか拝察しかねますが、
一般受けする内容になっています。
映画の始まりも、21歳の時に鎌倉で女性と心中しようとしたものの、
女だけ死んで、自分は生き残ったところから始まります。
『斜陽』と太田静子(沢尻エリカ)
『斜陽』は太宰治と逢引きした太田静子の日記から着想を得るだけではなく、
物語の半分くらいは日記が使われています。
太宰の“愛人”として、奥さんがいる太宰に認知、命名させて、
治子(はるこ)を生み、 『斜陽日記』を上梓するまでの一連の流れが収まっています。
「人間は、恋と革命のために生まれて来たのだ」
ええ言葉や・・・
あまり触れられていないけど、最初の逢引きの場所とシーンで、
壇蜜さんと共演していて、実はなかなか良かった。着物が似合う。
『ヴィヨンの妻』と美知子(宮沢りえ)
ヴィヨンの妻は太宰の奥様がモデルですが、
必ずしも小説の中の像が本物ではないことが劇中でも語られています。
一方でつつましい妻を演じる宮沢りえは本当にきれいできれいで美しい。
映画『紙の月』でもそうですが、
宮沢りえの「年齢を感じるんだけど、相当のセクシーさをきちんと感じる」
これは一体なんなのか・・・・
石田ゆり子、永作博美と並んで私の中ではビッグ3です(何のやw)
『人間失格』と山崎富榮(二階堂ふみ)
太宰治の愛人の一人であり、
入水自殺を遂げたことでも知られる山崎富榮。
二階堂ふみちゃんがこちらMVP級の活躍でした!
太宰と一緒に死ななければならない。超ヘビー級の愛です。
今回の太宰は、若干コミカルな演じ方をされているところもあり、
違和感なく、死に向かって引っ張っていかなければなりません。
ここはさすがの二階堂ふみちゃんだったと思います。
大衆映画的な表現の中にも”重さ”がきちんと残っており、
これを出来るのは彼女しかいないと感じます。
なお、この女性どれくらい重いのかというと、
『太宰治との愛と死のノート』という短編日記があります。
劇中にちょくちょく登場するセリフ、
「死ぬ気で恋、してみる?」
もここからの引用と思われます。
愛してしまった重さ・・・うーんもう椎名林檎5人分くらいの重さです。
全体的にセクシーな感じがスゴい
沢尻エリカ、二階堂ふみ、そして宮沢りえの、
いずれもセクシーなシーンが満載です。
キスシーンとかめちゃくちゃ舌入ってるし、
濃厚めな感じとなっております。
うぶ毛まで見えるんじゃないかというくらいの、
役者の顔のアップシーンも多く男性・女性どちらも表情まで楽しめる内容で、
二階堂ふみが最もセクシーでした。
余談:エリカ様もっとグイグイ来いよ事件
記者会見でエリカ様が
「小栗旬が全然触ってこない」
と暴露して話題となりました。(笑)
セクシーなシーンが多いですが、
たしかに胸を避けるように触り、
控えめ感のあるキスがあったシーンを、肉眼で確認。
「あぁこのシーンなんだ」とすぐわかるはずです。
まとめ
今回の映画を観て、太宰治を読み返す決心がつきました。(笑)
調べていくと本当に面白いですね。
映画については小栗旬が本当に失格レベルのクズ人間を演じていて、
でも、そこにきちんと魅力があって控えていく3人の女性像が映っていました。
蜷川実花”っぽさ”は若干封印気味で、
いままで濃厚だった味付けが薄味に感じてしまい、
蜷川作品ファンとしての私はB級映画扱いとします。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次のレビューも見て下さいね。
コメント
公開している所があるので見に行こうと思うのですが、激しい濡れ場が少し苦手です… 特に激しいと言われている二階堂ふみさんとの濡れ場は始まって何分頃に始まるのでしょうか 知っていたら多少動揺も抑えれるかと思って、教えて頂きたいです
[…] 最初に言っておきますね。ちょっと残念でした。私、蜷川実花ファンなのです。『さくらん』『ヘルタースケルター』『Diner』『人間失格』すべての作品を劇場で観ていて、初台オペラシティに個展も観に行ってます。1話制作に1億円かかっているなどという話ですが、そのほとんどは役者と衣装、セットに費やされていて、肝心の中身がどうも良くなかったように感じます。 […]