【インセプション】ラストシーンを徹底考察。コマは止まる!3つの理由

S級映画

どうもこんにちは!ミギーです。

今回は『インセプション』を紹介します。

私、何を隠そう世界で一番好きな映画監督はクリストファー・ノーランです。

(漏れがなければ)全作品観ております。

構想に20年を費やしたと言われる、

ノーラン監督の魅力が遺憾なく発揮されている本作をぜひ紹介させて下さい。

ストーリー

主人公はコブ(レオナルド・ディカプリオ)。

職業=産業スパイで、他人の頭の中に潜り込んで、潜在意識から情報を抜き出すプロ。

実業家のサイトー(渡辺謙)の“夢の中”に忍び込み、情報を盗むつもりが失敗。

しかし、サイトーから仕事の依頼が舞い込みます。

その内容は、ライバル企業を倒産に追い込むために、

高齢で死期の近い会長の息子ロバート(キリアン・マーフィ)の脳内に侵入して、

「会社を潰す」というアイデアを植えつける(=インセプションする)というものだった。

コブは選りすぐりのメンバーを集めて、この不可能と思われるミッションに挑戦する。

しかし夢の中に潜入すると、思いがけない事態が彼らを待ち受けていた…。

2010年公開。

ネタバレ感想・考察

一度ご覧になった方はご存知と思いますが、

本作は大変に複雑なルールになっております。

感想に入る前に、説明しなければならないのは

夢について。

スターになりたいとか、大金持ちになりたいとかでなく、

DREAMSの夢です。

重要な3つの設定

夢の構造

『インセプション』では、

“夢の世界が多層構造”になっています。

現実世界で眠り、夢の中へ・・・

そこは夢の“第一階層”

そして第一階層の世界で夢を見ると第二階層へ。

(夢の中で夢を見るという斬新な設定・・・)

同様に第二階層の夢の世界で夢を見ると第三階層へ。

夢から覚めさせるには、夢の中で死亡するか、「キック」(=三半規管を刺激して起こす)手法が採用されます。

「キック」は劇中では、椅子を倒したり、橋からジャンプしたりといったもの。

ターゲットの夢の中に潜入しエクストラクション(=情報を奪うこと)がコブの仕事。

インセプション(=情報を植えつけること)は高度なテクニックで成功事例が少ないものの、サイトーの依頼で実行することになります。

なお、この夢の世界、ターゲット側も訓練を受けることで、

潜在意識を“武装化”させ侵入者たちを排除することができます。

(なんという設定だ・・・)

そしてこの夢の世界ですが、共有することができます。(もうわけわからないですw)

眠ったあと、普通は自分の夢の世界へ行くところ、

夢の世界を共有する装置があり、他人の夢の中に入り込むことができます。

例えばAさんの夢の中でAさんが死ねば全員起きます。

夢の中の時間構造

夢の世界では時間が現実世界の20倍遅いです。

現実世界の10時間

=第1階層では1週間

=第2階層では6ヶ月

=第3階層では10年近くとなります。

トーテムと虚無

ラストシーンを説明するために重要な設定です。

トーテムは『夢と現実を見分けるもの』で、

コブの場合はコマです。回して止まれば現実。永遠と回り続ければ夢の世界です。

そして虚無とは、夢の第何層というものではなく、

“潜在意識の奥深くにある場所”でここに落ちてしまうと、

現実に引き戻されても心だけは虚無の中に置き去りにされてしまいます。

魂の幽閉所のようなイメージで、肉体は30歳でも心は100歳といったような、

すさまじい乖離を体験することになり、現実世界ではいわゆる廃人というか植物人間の状態に。

さて、問題のラストシーンについて

いきなり核心ですが、本作の最大の謎。

コマは止まるのか? 回り続けるのか?

やはりエンディングですよね。

念願叶い子供に再会できたコブ。

机の上ではトーテムであるコマが回っています。

コマが回り続ければ夢の中、途中で止まれば現実・・・

しかし映画では回り続けるとも止まるとも判断できない状態で終わってしまい、

鑑賞者にとてつもないモヤっと感を与えています。

果たしてこれは現実なのか? 夢なのか?

私の答えは『現実』です。

理由は3つ

理由1 子供の服が違う。

WIREDのインタビューでノーラン監督が語っています。

夢の中の2人の子供と、ラストシーンの子供は違う。

つまり、現実世界では成長しているという意味と推察します。

なお、夢の中の子役はノーラン監督の実の息子という遊び心つき。

理由2 ラストのコブはコマを見ていない

つまり、現実か夢かはもう関係がない。

子供たちに会うという選択をしたことが重要という意味です。

つまり、現実でも夢でも自分で選んだ回答を出していることに価値がある。

ということです。

コブは劇中、悩み続けました。モルを断ち切る勇気がなかった。

しかし、ラストは子供たちに会うための決断をしています。

つまり、虚無から脱出したと考えられます。

理由3 コマを回したのはなぜ?

映画を面白くするため・・・と言われればおしまいですが(笑)

そもそもコマなんて回さなくていいわけです。

子供に会えたことを疑うのであれば、コマを見て確認するはずです。

理由2と被りますが、虚無にいるのであれば「後悔」や「負の思い」がもれなくセットでついてくることを劇中に説明されており、どうにもそんな世界に見えない。

つまり、そこは現実の世界と考えることができます。

これがインセプションのラストシーン、ミギーの考察です。

ノーランが本作の原作の参考にしたという書籍をこちらに。

伝奇集(岩波文庫)

Bitly

コメント

  1. […] 私の整理では、”3段構造”という考察・理解です。イメージとしては『インセプション』に近かったかも。 […]

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