はいどうもこんにちは、ミギーです!
今回紹介する映画は【蜜蜂と遠雷】
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原作は本屋大賞受賞。恩田陸作品。
良作です!
非常に重厚感ある原作を2時間の尺に収めるということで、
失敗すれば大批判殺到間違いなしとも言える本作を、
見事にまとめてきました。
当然、本来であれば4人のピアニスト一人一人に焦点がもっと当たり、
描写がなされるべきところではありますが、
映画ならではの特性を活かした、
感性に訴える感じの仕上がりになっています。
その分、賛否両論あることは承知で、私は”賛”を贈りたい。
特筆するべきは松岡茉優。
『勝手にふるえてろ』、『万引き家族』など抜群の存在感を見せた彼女が、
今回も主役級ながら、きちんと周囲と調和が取れた演技で、
もうなんていうか手放しで褒めてよいレベルではないでしょうか。
というか主役4名、全員はずれなし。
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この作品は、
デートでOK!夫婦でOK!友人や家族でOK!
劇場でピアノ演奏やオーケストラ演奏も聴けるので、そうゆう意味でも楽しめる一本です。
早速レビューいってみます!
ネタバレ気味なので注意して下さい!
マイベストシーンは『月夜の連弾』
![ãèèã¨é é·ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ](https://img.cinematoday.jp/a/N0110942/_size_640x/_v_1567422406/main.jpg)
個人的な胸熱ポイントは、まずここです。
これ、普通にラブシーンです。
手もつながない、キスもしない。でもラブ×ロマンス。
肌と肌が触れ合うよりも、
音と音で触れ合うことがこんなにもロマンチック
とは思わなかった。
夏目漱石は「I love you」をこのように訳したそうな。
”月がきれいですね”と。
ストーリーは少し目をつぶろう
原作では文庫本で800ページを超える長編です。
4人の背景や細かな描写、接点が丁寧に描かれており、
かつ均衡が見事に取られているという名作なのですが、
映画の場合は松岡茉優を軸にした”神童の復活”を描いているような構成です。
映画用の脚本とはいえ2時間でどうやるんだよ!と思いましたが、
うーん、ここは人によって分かれます。
私は好き。と申し上げたい。その理由をお話します。
松岡茉優をはじめ役者にハズレなし
冒頭で特筆しちゃってますが、松岡茉優をはじめ役者陣でしょう。
ここに尽きます。
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大衆向けなのでわかりやすい説明セリフもなんだかんだあります。
しかし役者の『目線』と『表情』が、
根底的な思いを内包しているように、私は感じられました。
生活者の音楽の追求、
作曲の出来るピアニストへの夢、
亡き天才ピアニストを目指す王子、
世界を鳴らすために生まれてきたはずの天才、
それぞれの背景が少ないシーンながら断片的に伝わってきます。
そして、見応えは演奏シーン。
さすがに手元と上半身は映らないよね。演奏が上手すぎる。
カット割りやカメラワークが多彩な分、
どうしても『本当に弾いているのか?』が気になってしまいますが(笑)
それらの雑念を吹き飛ばすほど、
松岡茉優のプロコフィエフの3番が良かった。
なんという躍動感と”目”。前後のシーンと合わせても圧巻としか・・・
もう語彙力で解決できないほどの演技力でした。
![ãèèã¨é é·ãæ¾å²¡èåªãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ](https://realsound.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190826-mitsubachiinsta2-950x631.jpg)
あと触れておきたいのは、鹿賀丈史と平田満ね。
この名わき役っぷりがいい。
鹿賀丈史という指揮者を乗り越えなければ優勝はない
というしゃべらなくてもわかる存在感と、
7年の時を経ても包み込むような優しさを持つ、
安心感抜群の存在。
この2人なくして、映画の成立はありえません。
ブルゾンは。。。まぁ(笑)
蜜蜂と遠雷の意味とは
<直球解説ver>
鈴鹿央士が演じた風間塵は『蜜蜂王子』の愛称で親しまれていました。
遠雷は本作で審査員や参加者、コンクールのオーケストラ演奏者も含めて、
亡き天才ピアニスト・ホフマンの存在を表しており、
ここの対比と言うのが一般的でしょうか。
![ãèèã¨é é·ãé´é¹¿ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ](https://contents.oricon.co.jp/upimg/news/20190620/2138007_201906200350908001560985224c.jpg)
<ミギー解釈ver>
野山を飛び交う蜜蜂の羽音、遠くの空に轟く遠雷。
そのすべては音楽であり、あなたが鳴らすもの。
という意味であると感じました。(普通かw)
ラストはなぜマサルが1位なのか?
原作通りと言えばそうなのですが、
正直順位つけない方が良かった気もします。(笑)
コンクールの順位は、
1位 マサル
2位 栄伝亜夜
3位 風間塵
となりました。
さて、私なりの考察の前に、
恩田陸先生はですね、インタビューでこう語っています。
正直誰でもいい
おおおおおおーーーーーーーーい!!
優勝者ではなく過程が重要という意味ですが、なんか理由が欲しいですよね。(笑)
私の考察はこうです。
マサルのピアノが、
最も多くの人を取り込めるから。
風間塵は劇中に
「たとえ世界に1人になってもピアノを弾く。それくらい好き」
と語っています。
それは誰のための音楽なのか?自分ですね。
栄伝亜夜の場合はどうでしょうか。
きっと彼女は、自分とお母さんのための音楽なのだと思います。
少なくともコンクールの時点では。
マサルの場合はどうでしょうか。
クラシックという概念をビルドして、
”多くの人のための音楽”という意味には捉えられないでしょうか。
審査員の贔屓とか考えればきりがないですが、
ピアノと言う素晴らしさ、クラシックと言う世界を多くの人に伝えられる人、
甲乙をつけることすら憚れる中での決断は、
誰のためのピアノなのか?という基準で考えると、
私はこの順位ではないかと考えました。
![](https://mitsubachi-enrai-movie.jp/assets/images/pn/p4.jpg)
まとめ
音楽に圧倒されました。
映画館であのクラシックを堪能できるだけでも悪くないです。
家に帰って、プロコフィエフ2番と3番を聴きました。
YouTubeに辻井伸行さんがウィーンで弾いている動画がありますが、
めちゃ涙出ました。隣にいた嫁がなんで泣いてるのかとびっくり。
映画でもそうですが、
音楽弾いてるだけのシーンが泣けるんですよね。なぜか。
以前『ホットギミック ガールミーツボーイ』のレビューで、
映画とはいったい何だろうか。
心が動くことを楽しむ、 と定義するならば本作は傑作である。
と語りましたが、
本作もこの定義で語るならば、傑作の部類であります。
![](https://mitsubachi-enrai-movie.jp/assets/images/introduction/p2.jpg)
最後までご覧いただきありがとうございました!
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