説明できない。ホットギミックの衝撃。

S級映画
完全に度肝を抜かれた。
なんなんだこの映画は。
2019年に入って半年、
おそらく今年初めて映画から”衝撃”を感じた。
私が映画を好きになったのは、小学3年生くらい。
一番最初に衝撃を受けたのは、
『リリィ・シュシュのすべて』だったと思う。
なんだこの技法?あらゆる青春の葛藤、
入り混じるまどろっこしいもの、ドロドロしたものを、
グチャっとぶつけられたような衝撃だった。
この頃はまだレンタルビデオだった。
その後多くの映画やシーンに出会った。
『GO』の窪塚洋介の告白長回しシーン。
『ヒミズ』のバカデカいノイズに合わせた染谷将太のむき出しの感情。
『インセプション』のついていけない多重構想。
『ダンサーインザダーク』のラストシーン。
『ダークナイト』の徹底した絶望感。
思いつくだけでも多くあり、
おそらく、一番最近で衝撃を受けたのは『ゴッホ』。
観にくかった(笑)。正直だんだん観にくかったが圧倒された。
そして今回は
『ホットギミック ガールミーツボーイ』である。
ギミック=仕掛け、策略という意味。
ガールミーツボーイって・・・なに、TRFのあの歌もじったの?
くらいの軽い気持ちで観てしまった。
感想として、正直最初はただの青春モノだと思ってた。
2時間後、その軽い気持ちは本作という突風に吹き飛ばされた。
この衝撃は、もはや説明ができない。
映画の技法や見せ方など、勉強したことがないからわからないけど、
たしかなことは、
感情が揺れて、揺れて、揺らされた挙句に、
映画の世界がくっきりと足跡を残して
私の心を駆け抜けていった。
最初、多くのカット割りの中に人と風景、建物が入り混じって、
忙しいミュージックビデオを見ているような気分になった。
静寂と喧騒、光と暗闇、直線と歪み、
動画と静止画、有彩色と白黒、
優しさと破壊衝動、冷静と情熱・・・
多くの表現が混じりながら、
映画は壊れることなくスピードを上げていった。
これはストーリーを楽しむ映画ではなく、
「感情の揺れを体感する映画」であると途中で悟った。
演技の上手い下手は、まったく気にならなかった。
冷静に観たら、この映画はよくわからないどころか、
おそらく白けるだろう。
ストーリーなどめちゃくちゃだ。どんな集合住宅だよあれ(笑)
主役の堀未央奈は、荒削りだった。
声は鼻に掛かってるせいか、
叫んでいるのに、どこか抜けた印象が残念に思うだろう。普通は。
でもそうゆうことじゃない。
山戸結希という女性監督に切り取られた、
3つの初恋に揺れる等身大の彼女が徐々に魅力的に見えて、
引き込まれて一挙手一投足が気になってくる。
そして何より、まったくタイプの違う3人の男性の、
誰に染まってもおかしくないと思わせるキャンバスのまっさら感が最高にいい。
低評価の方からすると、
乃木坂46の可愛い女の子が身体を張った演技が良かった、
くらいにしか思わないかもしれない。
実際に多くの際どいシーンがあり、
蜷川実花の世界観を接写したようなシーンもあれば、
兄とココアを飲むシーンのゾクゾク感は、
『ヘルタースケルター』で感じたような、
スーっと堕ちていくような感覚になるシーンもある。
ネタバレは避けるが、
感想としては超感情が動きます。
本作の本質的なメッセージは、
最後結ばれるであろう二人のセリフにすべてが詰まっていると思う。
自分は何者なのか?
生きることに、人を好きになることに何の価値があるのだろうか?
セックスをすれば、一生結ばれるものなのだろうか?
誰かと結ばれれば、幸せになれるのだろうか?
すべてに答えはないが、
本作ではひとつの答えを提示してくれる。
本質的なメッセージと、感情の揺れを楽しみに、
劇場に行けるのはきっと今だけ。
映画好きの、本当に多くの人に観てほしい。
映画とはいったい何だろうか。
心が動くことを楽しむ、
と定義するならば本作は傑作である。

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