これから観る方へ
「トラウマ映画」、「後味の悪い映画」、「バッドエンド」、など検索すると、
間違いなくヒットする作品、それが映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』です。
松本人志やマツコ・デラックスといった著名人も好きな映画として取り上げるくらい有名で、
特にマツコ・デラックスは
人生に多大な影響を与えた映画としてよく紹介
しています。
マツコ・デラックス曰く、本作のポイントは
- 向かい風の嵐で、とにかく暗い
- 夢見がちな人に合う
- 妄想のミュージカルシーン
の3つです。
ミュージカルは主演のビョークがアイルランドで
人気・実力ともに認められている歌手でもあるので、
とても美しく仕上がっています。
映像もカラーやセピア、
白黒を使い分けられていて、
それが本作の憂鬱さを加速させている一方で、
画的には素敵になっています。
鑑賞後の空気は、それはそれは重くなる可能性大です。
真綿で首を絞められるような感覚で
映画が進むほどに辛く、重く、容赦がありません。
「本当に報われない他人を観て、自分の境遇や環境など大したことないと思いたい」
「とにかく憂鬱になる作品が観たい」
そういった方にオススメです。
バットエンドという点では名作というか、最高の作品になると思います。
自分が主人公になってしまったら・・・うつ病になります。ホントに。
心に十分な準備をして、ご鑑賞下さい。
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<ネタバレ感想>
もう2度と観たくない。
同じ映画を2回観ることって頻繁にあるわけではないとは思いますが、
敢えてそう言いたくなるくらい、
ビョーク演じるセルマが最後まで救われない
というラストに大きな絶望感を受けました。
貧しいながらに、愛する子供がいて、心優しい友人がいて、思ってくれる異性もいる。小さな幸せが溢れ、楽しげで健気な雰囲気から、急転ではなく、徐々に、徐々に、息苦しくで確実にダークサイドへ引き込まれていく感じが堪りません。
ラストは「なんで死なないといけないの」っていうか、「本当に誰か助けに来て」という画面越しの悲痛な叫びが漏れてしまうくらい、報われない映画です。
本作は、“悪の所在地”が非常に明確であるにも関わらず、
観ている側がただただ進行していくストーリーに抗えないことも、
憂鬱さを増す一つのポイントであるように感じます。
劇中にすべての真実に誰も気づけていない点も、もどかしい。
救いはミュージカル(歌)であり、
彼女の妄想の世界であるという結論が多数であるはずですが、
私はセルマに腹が立ってしまいました。
「幸せ」とは形のないもの。
彼女にとっての幸せに共感が出来なかった。
もっと人を頼ることもできたはず。
やり方次第で、死刑にはならなかったはず。
生きて、小さな幸せを守り続けることだってできたはず。
その可能性を劇中に残しながら、彼女は死(ダーク)に落ちていった。
彼女の世界、価値観は一貫していてそこは憎めない。
こうゆう人だから、この結末なのだろう。
その理解も納得もできる。
でも受け入れられない。辛すぎて。
こんな結末を自分の人生で起こしてはならない。
そんな強い思いが芽生えてくるほどに、一生忘れならない映画です。
毒にも薬にもならない、そんな映画は山のようにあります。
年間100本の映画を観ていても、ベスト10に入るような映画は思いつくし、
逆にワースト10になる映画もすぐ思いつく。
20位~90位の、数年経てば名もなき記憶になってしまう映画がある中で、
本作は【圧倒的な毒】
『最後から2番目の歌』を思いながら、107歩を歩き、死刑執行へ。縄
を巻かれ、足元の板が外れ、壇上から下に落ちて首吊り状態に。
彼女は語ります。
〝これは最後の歌じゃない。分かるでしょ。私たちがそうさせない限り、最後の歌にはならないの〟
でも、、死んだらダメだよね。絶対。
涙も出てこない結末に虚無感と絶望が広がりエンドロールとなるこの映画が、
嫌いではない。嫌いではないけれども、もう私は、観たくない。
なお、日本の映画でこの作品を超えるものが1本だけあります。
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勇気のある方、ぜひご覧ください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。次のレビューもまた見て下さいね!
コメント
[…] […]
[…] 実際に起こった2つの事件をベースにした社会派フィクションです。フィクションではありますが、極めてリアルでドキュメンタリーを見ているようでした。とんでもない作品に出会ってしまいました。報われない、見ていてツラい映画として呼び声高い『ダンサー・イン・ザ・ダーク』級の衝撃。 […]